遠近法じゃないです。
後ろの右足が左足の倍ほどに
腫れているんです。
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実々がいないなぁ。
そう気づいたのは14時過ぎのこと。
アトリエにお客さんがいらしてたので
入り口のドアを開け放してました。
若いころは猫を追いかけて
裏山に入り込んだりしたものの、
10歳と妙齢になった最近では
庭でゴロゴロしてるのが常なのですが。
家中を探してもいない。
庭のあちこちを探してもいない。
念のため、坂の下まで探してもいない。
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実々は呼ばれても声を出すことはなく、
こんなとき「実々ぃー、実々ぃー」と
大声で探すわたしの背後に
いつの間にかあらわれて、まるで
「えへへ、ここだよ、おかあさん」と
言ってるかのようににこにこして、
わたしに「もー」とクシャクシャにされ
一件落着するのですが、、、。
いない、、、。
(なーんか、やな予感)
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隈なく庭のあちこちを探すうちに
こんなところで!?という場所で
石のように固まっていました。
「実々、そんなところにいたの!?
どうしたの!?」
そう声をかけると
弱々しく立ち上がり、
3本足でひょこひょこと
近づいてきたのでした。
うむー、すごく腫れてる。
触ってみると熱も持っている。
だけど、痛がらない、、、。
骨折したなら激痛だよね!?
(経験者は語る)
「あ、マムシですね」
「稲刈りシーズンに多いんですよね」
「草やぶ多いですか」
(庭が草やぶです、ごにょごにょ)
先生いわく。
マムシやヤマカガシなど毒蛇に
咬まれた当初は痛みが強いため、
犬は危機を乗り越えようと
丸まって過ごすことが多いのだとか。
その後しびれが来て咬まれた当初ほど
痛みを感じなくなる経過をたどるそう。
動物病院に到着したのが咬まれてから
何時間経っていたのか分からないものの
腫れがひどく熱を持っていたけれど
ピョンピョンと3本足で診察室に
入って行ったのでした。
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解毒剤と化膿止めと
なんとかとなんとか、
計4本の注射を打ちました。
塗り薬と飲み薬も出ました。
わたしはマムシと聞いて
心臓バクバクになり涙目で
「助かるんですか?」と
先生に聞いてしまいました。
「咬まれた箇所が足でよかったです。
顔のどこかや目や口や首などだったら
ちょっと厄介だったけど、
足の後ろ側で幸いでしたよ」と。
「実々ちゃんは注射を嫌がらず
いつもえらいねぇ。
今日はお散歩をお休みにして、
お薬塗って飲んで安静にね」って。
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庭でフリーにさせとくのも、
いろいろリスクはあるものです。
ともあれ大事に至らずよかった、ほっ。
大難を小難に。
母の口癖のこの言葉、ほんとでした。
心配事の9割は起こらない。
悪いことは考えないようにしよう。
今夜は実々のそばで寝よう。
お大事にお大事に。
だいじょうぶだいじょうぶ♡
あー、びっくりしたー(涙目)。
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Peace begins with a smile.