ひろーい世界の中で
出会える人はほんのひと握り。
空からポーンと落ちてきた。
そんな風に思える出会いもあれば。
なにかの拍子に
ジジジッとチューニングがあって
気がついたら出会ってた、
みたいなこともある。
彼女との出会いがどんなだったか
最初のきっかけを思い出せない。
出会ったとはいうものの
会ったこともなければ
言葉を交わしたことさえ
ないのだけれど。
その人が発している
透明な空気感を好きになった。
ときどき、コメントをもらう。
1・2日後にお返事をする。
(わたしの返事はいつも遅い)
わたしからも、
たまにコメントをする。
彼女からのお返事の言葉がとても好き。
好きなんだけど。
だけど、遠くから見ていたい。
お互いの存在を知ってはいるけど
いつまでたっても距離が縮まらない
片想いのような感じがいい。
ジリジリしたりしない間柄。
・
どこにいても暑かった今年の夏。
その人はことさら
暑い盆地に住んでいる。
だけど、いつも涼しげで。
慌てる感じがぜんぜんなくて。
そんな或る日、
その人の言葉から哀しみを感じた。
その痛みが、自分のそれと重なった。
なんとなくだけど、そう思った。
(あとで知ることになった)
(その哀しみはわたしと似てた)
・
夏が過ぎ、秋が来た。
(まだ毎日毎日半袖短パンだけど)
なんと言ったらいいのかな。
わたしには、ときどきたまに
武装を必要とする時がある。
武装というと物騒だけど
(しゃれじゃないヨ。 笑)
それはいつも旅に出る前にする
"無事に帰ってこれますように"の
おまじないのようなもの。
お守りとはちょっと違う。
それを身に着けていることで
自分を含むまわりのすべてが
安寧のキモチになれる
そういうもの。
そういうものを
旅する時に幾つか必要とする。
(一人の時はいらない)
(今回の旅も隊長なので要武装)
武装アイテムは
使い慣れているものが多いけれど、
(友人作のガーゼマスクとか)
(義母からもらったダイヤの指輪を)
(ピアスにしたものだとか)
(穴が開いてダーニングした靴下とか)
たまに、さらに武装力を高めたくて
新しく求めるものもある。
・
会ったこともないし、
言葉を交わしたこともないけれど。
同じ名前のきれいな人が作った
硝子のアンモナイト。
長い時間海の中を泳ぎまわったあと、
深海の漆黒の中で静かに眠り、
あやこさんの手によって
光を受けてよみがえった。
と、いうストーリーを
勝手に瞬時に思い描きました。
つまり、直訳すると
「とても気に入りました」です。
"届きました"のメッセージに
そう書いたら、奇しくも
彼女もそんなストーリーを
思い浮かべていたとのこと。
そっか、よかったな、ほっ。
・
きっと。
今回の旅も、行ってみたら
「あぁ、やっぱり自分ちが一番いいな」
そう思うのだろうけれど。
そんな風に感じるいつもの思いも、
外に出ないと忘れちゃうんだよね。
いつも在るコトのありがたみってやつを。
さ、そろそろスーツケースを
引っ張り出さなきゃね。
犬の散歩も思う存分しておかなきゃね。
長い留守のあとは唸られちゃうけど、
あなたのことを誰よりも好きだけど
外に出ないとココロがね、窮~っと
なっちゃうからね。
バタバタと羽を広げに行ってくるね。
元気で待っててね。約束だよ。
・
Conquer yourself rather than the world.