先週の木曜日16日、東京ミッドタウンのGAGA試写室で行なわれたマイケル・ムーアの最新作「シッコ」
のアメブロ試写会に行ってきました。
GAGA本社のロビーはこんなにゴージャス!
右写真の階段の向こうには、ガラスの壁面に水が流れていました。
19:00スタートの試写会にギリギリに到着しつつも、窓からの夜景を忘れずにパチリ(笑)。
キラキラキラキラキラ、六本木の夜は輝いていました
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さて、本題の「sicko シッコ」について。
「sicko」とは、英語でビョーキの意味なのだそう。
アイツったら、くだらないこと言いやがって。
ほんともぉビョーキだね!!!
っていうニュアンスのようです。
病気じゃなくて、ビョーキ。
内容はアメリカの健康保険制度についてのドキュメンタリーです。とはいえ、そこはマイケル・ムーアの作品ですから、まんまドキュメントとして観ちゃいけないのかな、レトリックも多いだろうし…。そんな色メガネをサハラがかけていたことを、最初に記しておきます。
病気と怪我は誰の身にも起こること。
だから、「保険」という備えをしておくべき。
アトピーでの長患い経験者としては、ことさらそう思います。
1996年、サハラはアトピー治療のために2度の入院をしました。合計100日前後の入院期間でした。当時サラリーマンだったサハラは貯金代わりに3つの保険に加入していました。掛け金にすると月間5万円くらいと決して少なくはない金額でした。
なぜ貯金よりも多くの金額を保険にかけていたのか。
それは至極単純な理由でした。
貯金だと解約してすぐ使ってしまいそうだから。
保険なら満期まで手がつけられないから。
保険では貯蓄性は低いものの、自分のお金にロックをかけると共に、なにかあったときの保障を自分にかけていた形でした。結果的にサハラは長期入院をしたため、多額の入院保険金が手元に入りました。まさに「備えあれば憂いなし」というカタチです。
けれど、同じアトピーでも保険金が出なかったケースもあると聞いたことがあります。いわゆる「既往症」というケースです。
映画の中でも「既往症」が何度も出てきました。そりゃないでしょ的行為が、アメリカでは保険会社主導のもと医療現場でも行なわれています。アメリカでは医療も営利目的ゾーンなのですね。
アメリカのテレビドラマ「ER」で、保険未加入者だから治療をしないなどのシーンが出てくるたび、その制度については多少は知っていたつもりでしたが、この映画を観てあらためてアメリカに国民皆保険制度がないことを実感しました。
とはいえ。
国民皆保険制度がある日本でも、医療現場での「地獄の沙汰も金次第」があります。サハラが多額の入院保険金を給付されたのは退院後です。当然ながら入院中は治療費をはじめ、いろいろとお金がかかります。いくら保険に入っていたとしても、それらは前払いしなくてはなりません。サハラが入院していた時も、これ以上入院することができない(お金が続かない)と、治療半ばで退院していく人がいました。
ふむ。
映画の中では、医療費ゼロのフランスについても描かれています。医療費ゼロだなんて、トレビアン~♪と思うものの、フランスの税金が高いことには触れられていません。
サハラは、フランス圏のニューカレドニアに3ヶ月滞在したことがあるのですが、昼間からビールを飲んで路上で寝転んでいる島民を多く見ました。フランス人の友人は、「働いても働かなくても社会保障が充実しているので、働かないナマケモノが多い」と言っていました。
厚遇な社会保障のねじれ現象なのかもしれません。
今回の映画を観てイチバン感じたのは、自分が置かれている現状をきちんと知らなきゃね、ということです。年金問題同様、国にお任せってワケにはいかないのですね、残念ながら今の日本では…。「知らなかった」では、コトが起きてからでは遅いのだとも。
自分を守るのは、
国ではなく自分自身だとあらためて実感したのでした。
最後に。
「sicko」は、来年のアメリカ大統領選挙に影響を与えてくれるでしょうか。与えてほしいなと、色メガネを外しながら心底思ったサハラなのでした。
25日(土)から上映スタートです!
こういう映画こそ全国で上映すればいいのになぁ。