かさぶた剥がれた。
2006年 03月 07日
「気持ち悪い」
アトピーがひどかった頃、そう言われたことがあります。
友人宅での忘年会のことでした。
その頃のサハラはアトピーで体調が悪く
家に引きこもりがちでした。
サハラが人間の感情で一番いやだなと思うのは
「妬み」や「僻み」です。
普通に元気な友人たちがうらやましく、
その頃のサハラには友人たちの笑い声が気に障りました。
なんで自分だけこんななんだろ…。
一番嫌いな感情を大切な友人に抱いてしまう。
自分の中で自分の嫌いな思いが大きくなっていってしまう。
ほおっておいて欲しい。
かまわない欲しい。
自分を見ないで欲しい。
そういう感情を抱えながら家に引きこもっていました。
そういう時期でした。
そんなサハラを励まそうと、友人が車で迎えに来ました。
そこまでしてもらって、行かないわけにはいかず…。
いろいろな思いが絡まっまま行った友人宅でした。
暖房で顔色が赤い部分と白い部分に分かれ、
ぶち模様のようになったサハラの顔を見て言われたひと言。
「気持ち悪~い、なにその顔!」
なんの悪気もない、酔っ払いのひと言でした。
その時は、あまり気にならなかった、そう思うようにしました。
ずっと忘れていた出来事でしたが
先日、読者の方からいただいた手紙を読んで
心の奥に沈んでいたその出来事が浮上してきたのでした。
「ワタシきれい天然生活
」を家族全員で読んだこと。
お姑さんが「大変だったんだね」と優しく声をかけてくれたこと。
それまで言えなかった自分の思いを伝えることができたこと。
そういうあれこれが綴られていました。
赤い顔。
黒い首。
ワニ皮のような手。
抜け殻のような落屑。
「見た目なんか気にしない」
そう思い込もうとしてたけれど、誰よりも見た目を気にしてた。
「気持ち悪い」
そう言われて平気なふりをしたけれど、かなり傷ついた。
7年経って、その傷はやっとかさぶたが剥がれきれいに治りました。
日々のいろいろが、自分を励ましてくれます。
「アトピーにならなければ分からなかったこと」
それは、今だから言えること。
あの頃は、アトピーが嫌いで嫌いでならなかったのだから。