森の中で。
2004年 11月 24日
森に入ると、
たくさんの気配を感じる。
小動物の視線も感じるし、
木々の息づかいや、
大地からのハグ、
木陰からはフェアリーがこちらを覗き見しているし、
光の中には輝きながらさまざまな記憶が浮遊している。
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まだアトピーと診断される少し前の時期、
サハラは1冊の本と出会った。
アンドルー・ワイル著の 「癒す心、治る心」 。
ワイル博士は著書の中で「歩くこと」の効能をこのように書いている。
運動に関するわたしのアドバイスとコメントは短く、ひとことですまそう。
歩くこと!それだけだ。
私の見解では、歩行はからだにいちばんいい身体運動である。
歩行には治癒系をスムーズに働かせ、
病気のときも自発的治癒を起こりやすくさせる力が秘められている。
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10年前、まだインターネットは一般的ではなく
多すぎる情報の中で迷子になる確率は、今ほど高くはなかった。
その分、情報を自分で探さなければならなかったけれど。
サハラには、体調不良の原因の大元はなんとなく分かっていた。
けれど、そんなもので体がこんなにも壊れてしまうことを認めたくなかった。
自分の意思と反する自分の弱い部分を「受け容れる」ことは容易ではない。
少なくても当時のサハラには、それらを容認するのは難しかった。
人には自ら治る力がそなわっていて、その治癒力を活性化させることで、
絶望的な病気から生還した人は少なくないという。
しかし、それは自分を受け容れることができたなら…なのだ。
歩くことが治癒力をアップさせるらしいと読んで、歩きはじめた。
歩きすぎて過労がさらに過労を招いてしまう当時のサハラには、
良くなる兆候が見られなかったのも、今なら分かることのひとつ、かな。